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破産「管財事件」と「同時廃止事件」の違い。どのように決まるか?

破産手続きには、大きく分けて「管財事件」と「同時廃止事件」の2つの進め方があります。あなたが破産手続きを申し立てた場合には、その破産事件がどちらの取り扱いとなるかによって、その進行は大きく変わることになります。この記事では、この管財事件と同時廃止事件について説明していきます。

 

管財事件とは?

破産手続きは、破産者の財産を換金して債権者に平等に配当するための手続きです。そのために、破産手続きが開始されると、破産者が所有している財産を管理した上で、換金(換価といいます)しなくてはいけません。そのために破産管財人とよばれる人が選任されます。

 

管財事件での裁判所の役割はこの破産管財人の監督になります。破産管財人によって、破産者の資産(これを破産財団といいます)が換価され、それが債権者に配当がされることで、破産手続きは終了します。

 

このように、破産手続きにおいて、破産管財人を選任して破産者の財産を換価、配当する場合の破産手続きを管財事件とよび、これが破産手続きの原則的な進め方になります。

管財事件では破産財団(破産者の財産)の確保が重要

管財事件の場合には、破産者の財産によって構成される破産財団をどうやって確保するかが最も重要なポイントになります。この破産財団が大きければ大きいほど債権者への配当額が増えるからです。
 
そもそも、破産手続きは、裁判所の公権力によって、すべての債務を強制的に清算させる(それでも残った債務は免責させる)手続きですから、破産財団が適正に確保されるかどうかということは、破産手続きそのものの正当性にかかわる問題でもあります。

破産管財人には強力な権限が与えられています

しかし、債務の返済が滞っている状態にある債務者の財産状況には、問題があることが少なくありません。債権者からの追求を逃れるために財産が隠されている場合もあるでしょうし、他の債権者との関係で不公平な返済行為(一部の債権者だけを特別扱いする返済)がなされている場合もあります。
 
そのため、破産管財人には、財産を調査するための様々な権限や、本来破産財団(債権者への配当原資)に組み込まれるべき財産が散逸してしまっているときには、それを取り戻すための権限(否認権)が与えられています。さらに破産手続き開始のときに確定していない法律関係がある場合にも破産管財人がその対応にあたることになります。
 

【関連記事】 55.破産時に友人や親せきからの借金はどうなるのか?債権者平等の原則

 

同時廃止事件とは?

ここまで説明してきたように、破産手続きの基本形は、管財事件です。しかし、個人の破産者の場合には、破産を申し立てた時点で、債権者に配当できるだけの財産をもっていない場合や、仮に財産があったとしても換価・配当等の手続きをすれば逆に損失がでてしまう程度の財産しか残っていないという場合が少なくありません。

 

その場合には、換価・配当の手続きを行う必要もメリットがありませんので、破産手続きを開始と同時に取りやめる(廃止)という扱いをすることになります。これが同時廃止とよばれる取り扱いです。開始された破産手続きに同時廃止決定が下されると、その破産手続きは即座に免責手続きへと移行することになります。

管財事件と同時廃止のどちらになるかが関心事になるのはなぜか?

実際に、破産を申し立てる場合には、それが管財事件と同時廃止事件のどちらの取り扱いになるのかということは、非常に重要な関心事項です。それは、管財事件と同時廃止のどちらかになるかによって、下の表にまとめるような違いが生じるからです。

 

(特定)管財事件となった場合

  • 破産管財人が選任される
  • 予納金の負担が大きくなる(50万円~)
  • 破産者は、居住(移動)と通信が制限される
  • 手続きの終了(免責決定)まで1年以上かかることがある

同時廃止事件となった場合

  • 破産管財人は選任されない
  • 管財人が選任されないため予納金が少ない(1~3万円程度)
  • 居住と通信は制限されない
  • 免責手続きまで3~4ヶ月程度で終わる

 

これを比較していただければ一目瞭然ですが、管財事件では負担がかなり大きくなるのです。

管財事件となる基準――本人申立ては管財事件となります

現在では、少額管財とか簡易管財とよばれるような運用が主流になってきたこともあり、20万円を超える財産がある場合には、少額管財事件として、取り扱われるようになりました。この少額管財については、下記の関連記事で別に詳しく触れることにしますが、ここまでお話ししてきた管財事件(少額管財との対比で「特定管財」とよばれることがあります)と同時廃止事件の中間的な手続きだと理解しておけばよいでしょう。
 
しかし、この少額管財を利用するためには、弁護士代理人が選任されていることが条件となりますので、破産手続きを本人申請(司法書士に書類作成を依頼した場合でも同様に扱われることがあります)で申し立て場合には、これまで説明してきたような管財事件として取り扱われますから、破産者の負担はかなり大きなものとなります。
 

【関連記事】 49.個人破産は同時廃止が原則ではない。少額管財となる6つ条件とは

 
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