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間違えると危険!連帯保証人と保証人は全く別物!

借金の問題にはよく「保証人」が登場します。しかし、この仕組みについては、誤解や勘違いが少なくありません。この記事では、保証人と連帯保証人との違いについて、お話ししていきます。
 

保証人・連帯保証人は「人の担保」

担保という言葉はほとんどの人が耳にしたことがあると思います。「土地や建物を抵当(担保)にいれる」といったりしますが、これが担保の典型例です。土地や建物のような物の担保のことを物的担保といいますが、保証人や連帯保証人は、人的担保、すなわち人の担保なのです。
 
担保というのは、簡単にいえば、債務が返済できなくなったときにその肩代わりとなるもののことをいいます。したがって、土地と建物に抵当権を設定して住宅ローンを組んだ場合に、その返済ができなくなると、土地と建物を債権者(担保権者)にとられてしまうことになります。
 
人的担保の場合は、借金をした人が返済できなくなった場合に、保証人や連帯保証人が代わって返済する義務を負うという形で肩代わりをすることになるのです。

実際に問題となるのは連帯保証人です

保証人と連帯保証人とは、名称としては「連帯」という2文字が付くか付かないかの違いに過ぎませんから、よく混同して理解されています。借金に関する色んな問題でも、単に「保証人」という言葉がでてくることがありますが、実際に、借金の場面で問題となるのは、保証人ではなく、連帯保証人です。
 
貸金業者等が、主たる債務者(貸金業者から直接お金を借りる人)に対して保証人をつけることを求めることはまずありません。ですから、あなたの家族や親戚・知人から「保証人になってほしい」と頼まれるケースは、保証人ではなく「連帯保証人になってほしい」と頼まれているケースなのだと理解しておくべきでしょう。

保証人と連帯保証人は似て非なるものです

保証人と連帯保証人は、名称も似ていますし、主たる債務者(実際にお金を借りた人のことを主(たる)債務者といいます)の債務を肩代わりする立場にいることでは共通していますが、その責任の重さは全く違います。具体的には、次の3つの点で、保証人と連帯保証人には違いがあります。
 

  1. 連帯保証人には、「催告の抗弁権」がない
  2. 連帯保証人には、「検索の抗弁権」がない
  3. 連帯保証人は、「債務のすべてを1人で返済する義務」がある

 
法律用語を用いるとこういう表現になるのですが、これでは難しいですから、それぞれについて解説していきます。

①催告の抗弁権

保証人も連帯保証人も主たる債務者の借金を肩代わりしなければならないことは、既にお話ししたとおりです。これは、主たる債務者が借金を返済できなくなったから、保証人がその借金を主たる債務者に代わって支払うものであると、理解されているかと思いますが、「保証人」に関しては、まさにこの通りです。
 
ですから、貸金業者が、主たる債務者を飛び越えていきなり保証人に対して、主たる債務者に代わって借金を支払うように請求してきたときには、保証人はその貸金業者に対して「まずは、主たる債務者に返済するよう請求してください」と反論する(反論することを法律用語で抗弁といいます)ことができるのです。借金を支払ってくれと通告することを法律用語では「催告」といいますから、このことを「催告の抗弁権」とよんでいます。
 
しかし、連帯保証人には、この催告の抗弁権がありませんから、主たる債務者が返済できるかどうかということに関係なく、いきなり連帯保証人に対して主たる債務者の借金を返済するように請求することができるのです。簡単に言えば、貸金業者は、主たる債務者と連帯保証人の取り立てやすい方から取り立てれば良いということになります。

②検索の抗弁権

ここでは、主たる債務者が勤め先の業績不振などで給与が減ってしまったり、リストラされてしまった事などが原因で貸金業者への返済が滞ってしまったという場合を例にお話します。この主たる債務者は、この時点では、たしかに毎月の返済ができるほどの収入がなくても、持ち家や自動車等の財産があるという場合もありえます。しかし、実際にこうしたケースでいきなり家や自動車を売却して借金を返済するというケースは希でしょう。
 
このような場合に、貸金業者が保証人に対して、主たる債務者に代わって借金を返済するよう請求した際には、保証人は「まずは、主たる債務者の財産に強制執行をかけてください」と反論することができるのです。このことを「検索の抗弁権」とよんでいます。
 
しかし、連帯保証人には、この検索の抗弁権もありません。したがって、主たる債務者にそれに強制執行をすれば返済できるだけの財産があったとしても、連帯保証人は、債権者から請求されたときには、その債務を主たる債務者に代わって返済しなければならないのです。言い換えれば、債権者としては、主たる債務者の財産を強制執行することで借金を回収することが面倒だと感じたときには、連帯保証人に借金の支払いを請求することができるというわけです。

③連帯保証人は債務のすべての義務を負います

家族・親戚や知人等から保証人(や連帯保証人を頼まれる)になってほしいと頼まれる際には、しばしば「他の人にも保証人を頼んでいるからあなたには迷惑はかけない」等と言われることがあります。実際にも融資額が大きい場合には、債権者から複数の(連帯)保証人を求められる事の方が多いでしょう。確かに、保証人の場合であれば、保証人が複数いるときには、主たる債務者の債務を保証人の人数で割った金額のみを返済すれば、保証人としての義務を果たしたことになります。
 
しかし、連帯保証人の場合では、連帯保証人が何人いようと、それぞれの連帯保証人が主たる債務者の借金の全額を返済しなければならない義務を負うことになります。この場合にも、債権者としては、催告の抗弁権や検索の抗弁権の場合と同様に、最も回収のしやすい連帯保証人を選んで、主たる債務者の借金の支払いを請求することができるのです。

連帯保証人は債務者と同じ扱いを受けます

ここまで保証人と連帯保証人とでは、その責任の重さが違うことについて説明してきましたが、要するに、連帯保証人というのは、「保証人」と名前はついているものの、実際には、保証人というよりも、債務者本人と同じ扱いを受けるということになります。まさに、「連帯」しているからこそ、主たる債務者の借金は、連帯保証人自身の借金と同じであるということができるのです。

主たる債務者の債務整理と保証人・連帯保証人

主たる債務者が債務整理の結果は、(連帯)保証人の負担には一切影響を与えません。したがって、主たる債務者が、自己破産し、免責を受けたことで借金の返済の義務を免除されたとしても、(連帯)保証人の支払い義務は全く変わらないということになります。むしろ、(連帯)保証の仕組みは、このような場合のために存在するのです。
 
したがって、あなた自身が借金をするときに、どなたかに(連帯)保証人をお願いしているのであれば、ご自身の債務整理(任意整理や自己破産)の結果、(連帯)保証人に、その借金の支払いの請求がいくことを知っておかねばいけません。ケースによっては、(連帯)保証人もあわせて債務整理を行わなければならなくなりますから、事前に連絡をする等の対応をとることが非常に大切でしょう。
 
これとは逆に、あなたがどなたかの(連帯)保証人となっているケースであれば、主たる債務者の返済状況や、財産状況に関心を強く持つことが大切です。特に連帯保証人となっているのであれば、これまで説明してきたように、主たる債務者を飛び越えて、いきなり連帯保証人であるあなたに対して借金の支払いを求めるケースだってあり得るからです。一般的な貸金業者がそのようなことをすることは、まずありませんが、悪質な貸金業者であれば、最初から連帯保証人から回収するつもりで主たる債務者に貸し付けを行うことだってありえるのです。
 
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