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債務整理した後に起業・創業する場合の注意点とは?

最近では、「起業」して生計を立てようという方が増えています。

「債務整理」は人生の転機でもあります。そのため、「債務整理で心機一転して起業する」ことを考えている方も少なくありません。また、既に事業をしている方にとっても、債務整理を「再チャレンジ」の始まりとする方は珍しくありません。

そこで、今回は、「債務整理が起業に与える影響」についてお話していきます。

債務整理しても会社役員になることは問題ない

債務整理した方でも起業する(会社を興す)ことは、全く問題がありません。現在の法律では、破産者でも株式会社の取締役になることができます。

しかし、次のような職業は、破産が欠格事由となっています。「破産後すぐ」に起業しようとする際には、これら以外の職で事業することになります。

弁護士・司法書士・行政書士・土地家屋調査士・税理士・中小企業診断士・社会保険労務士・弁理士・通関士・宅地建物取引士・マンション管理業・旅行業・宅建業・生命保険募集人・損害保険代理店・警備業・貸金業・質屋・風俗業・廃棄物処理業(一般・産業)・NPO役員

したがって、飲食店や美容師であれば、破産による職業制限とは無関係に、いつでも起業することができます。また、これらの資格制限は、「復権」までの一時的なものに過ぎません。復権後であれば、どのような事業であっても問題なく始められます。

なお、任意整理や個人再生では、一切の職業制限がありません。

金融機関から融資を受けることは難しい

事業を始めるには「資金」が必要です。設備を揃えるための資金や事業が軌道に乗るまでの運転資金も必要です。これらの「開業資金」は、金融機関から融資を受けて確保することが多いでしょう。

しかし、「債務整理した方」の場合には、金融機関から開業融資の融資を受けることは、難しいです。債務整理したことは、信用情報上の「ブラック情報」として扱われます。金融機関は融資の際に、借り主であるあなたの信用情報を調査するため、「ブラック情報が消去されるまで」融資を受けられません。

日本政策金融公庫からの借り入れは難しい

起業の際には、日本政策金融公庫(公庫)からの融資(創業融資)がよく利用されます。日本政策金融公庫は、CICという指定信用情報機関に加盟しています。CICは、クレジットカード会社と消費者金融のほとんどが加盟しているので、それらを相手に債務整理した場合には、公庫からの融資は難しいでしょう。CICでのブラック情報の登録機関は次の通りです。

  • 61日以上の延滞・・・完済から5年
  • 債務整理・・・完済から5年
  • 自己破産・・・自己破産から7年(全国銀行個人信用情報センター(KSC)は10年)

ブラック情報が消えることを「喪明け」とよぶことがあります。「喪明け前」の方であれば、自己資金を用意する、資金のかからない事業を興すといった努力や工夫が必要になるでしょう。ヤミ金融等で開業資金を工面してはいけません。

共同事業者・共同出資者を「代表者」にする

債務整理をした方が起業する場合でも、一緒に事業を興す人がいれば、金融機関からの融資が可能となる場合があります。共同事業者に「ブラック情報」がなければ、その方を「代表者(代表取締役・代表社員)」として登記することで、融資の際の信用情報の問題を回避することができます。

中小企業に対する融資の場合には、法人だけではなく、「代表者」の信用情報が調査されます。しかし、「代表者ではない役員」の信用情報まで調査することは珍しいです。

2度目の自己破産は免責されないことがある

事業にはリスクがつきものです。債務整理後に起業をすることは、「再チャレンジ」であると同時に「再度の債務整理」のリスクを背負うことでもあります。仮に「2度目の自己破産」ということになれば、「免責されない可能性がある」ことにも注意が必要です。

破産法252条1項10号は、7年以内の再度の破産は免責しないと定めています(ただし、「裁量免責」の余地がないわけではありません)。

起業するタイミングにも注意が必要

破産は、「救済」、「再チャレンジ」のための制度です。事業が行き詰まった場合に「自己破産で再起を図る」ということは、実際に珍しいことではありません。しかし、新しく事業を立ち上げる(法人を作る)タイミングに注意しなければいけません。

破産では、全ての借金を「公平」に清算する手続きです。そのため、債権者の保護が重視されます。債権者に対して「不公平」「不公正」な対応は、倒産会社(前の会社)の破産手続で不利な取扱いを受ける可能性があります。また、不正行為を行った代表者(あなた)の責任が問われるケースもあります。

具体的には、次のようなケースでは特に注意が必要です。

  1. 新会社の役員就任後に、自分の自己破産を申し立てる場合
  2. 旧会社の破産申立て前に、新会社を設立する場合

1.のケースでは、株式会社・持分会社(合同会社・合名会社・合資会社)のいずれの代表者(代表取締役・代表社員)に就任しても、自己破産によって「すぐ退任」することになります。

2.のケースでは、新会社を設立したことによる「財産隠し」が疑われます。悪質なケースでは、「詐欺破産罪」が問われる場合もあります。この場合、法人だけでなく、代表者も罪に問われる可能性があります。新会社設立のために、旧会社(破産させる会社)の「資本金を取り崩す」ことは当然いけません。また、旧会社が保有する「20万円以上の価値のある資産」は、債権者の配当に充てられなければなりません。

自己破産後に再起業を考えている方は、弁護士・司法書士とよく相談して慎重に対応してください。

「再チャレンジのチャンス」を活かすためにも慎重に

債務整理は、これまでの負の財産を清算し、「新しい生活を始める」ためにするものです。せっかくの新しい生活がいきなりつまずくことのないように、慎重に、計画的に対応することが大切です。弁護士・司法書士には、起業に必要となる定款作成のノウハウもあります。「再チャレンジ」を成功させるためにも、専門家の支援が重要なのです。



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