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おまとめローンでの借金1本化の「落とし穴」と6つのデメリット

借金について色々と調べていると「おまとめローン」、「借金の1本化」というワードをよく目にします。

借金で悩んでいる人の多くは、複数の貸金業者(消費者金融・カード会社)から借金があります。その借金を1カ所の金融機関からの新規の借金で返済し(借換え)、返済を1つにまとめることを、「おまとめローン」とか「借金の1本化」とよんでいます。

銀行や消費者金融には、「借換え」のための商品がたくさんあります。そのまま「おまとめローン」と宣伝しているものもありますが、「フリーローン」とよばれるものも同様の商品です。

銀行「系」の商品ということで「何となく安心」というイメージもあり、近年では、おまとめローンの貸付額が伸びています。むしろ、銀行系ローンの貸付額が増えすぎていることが、問題視されているほどです。

たしかに、「1本化」は便利ですし、「銀行」は安心そうなイメージがありますが、「おまとめローンでの借金1本化」には、落とし穴もたくさんあります。

そこで、今回は、「おまとめローンのデメリット」を中心に説明していきます。

借金で悩んでいる人がおまとめローンを利用するのはなぜか?

「毎日のように返済に追われる」、「返済額(金利)が高い」というように、借金の悩みはたくさんあります。

特に、複数の貸金業者から借金があれば「月に何回も返済日がある」というのは、「返済の管理」が大変です。「うっかり忘れてしまった」ということがあれば「取立て・督促」におびえることになります。そもそも、生活が落ち着きません。

また、1社あたりの返済額は小さくても、数社の返済が重なれば、やはり「返済額が厳しい」ということにもなります。

そのような状況にある人にとっては、次のような「おまとめローン」の特徴は、魅力的にうつるものです。

  • 金利が安くなる可能性がある
  • 返済日が1つにまとまる
  • 借換えは、債務整理ではないので「ブラック情報」にならない

たしかに、上記のメリットを享受することで「借金を完済できた」というケースもあります。しかし、私たちが目にする「おまとめローンの情報」の多くは、「おまとめローンの宣伝」です。したがって、メリットが強調されるのが当然なのです。

特に「日々返済に追われて疲れている」人ほど、「返済の1本化」は、それだけで魅力的に感じるものです。

おまとめローンは総量規制の対象外貸金業者にはいわゆる「総量規制」という年収の1/3までしか借りられない規制があります。しかし、銀行系のおまとめローンは総量規制の対象外となります。

おまとめローンの落とし穴

「おまとめローン」を利用するときは、正しい知識を持った上で慎重に判断することが重要です。安易に「1本化の魅力」に釣られてしまうと、借金の問題がより悪化するケースもあります。実は、おまとめローンのメリットは、そのままデメリットでもあるのです。

「おまとめローン」では「借金は減らない」

おまとめローンは、債務整理ではありません。したがって、借金は1円も減りません。複数の貸金業者から借金している方の中には、「長期間の借金」となっている方もいるでしょう。

たとえば、2008年より前から借金がある人であれば「利息の引き直しで借金が減額できる可能性があります。また、「過払い金」が返ってくることもあります。

しかし、おまとめローンでは、「過払い金の計算」はしてくれません。おまとめローンを借りて完済して後に過払い金を請求することも可能ですが、この場合には完済前よりも弁護士・司法書士に支払う費用が増えます。返還される過払い金が多くなれば、支払う成功報酬も増えるからです。過払い金についての詳細は、こちらの記事(G1)を参考にしてください。

おまとめローンを利用したために借金が増えることもある

一般的なおまとめローンは、借換えのための「融資を1回受けられるだけ」です。「カードローンとセットでの申込み」が条件となっているおまとめローンを除けば、追加の融資を受けることはできません。おまとめローンの返済中に「他に借金をした」ことで一括返済を請求されるケースもあります。

また、おまとめローンからの借入が「年収の1/3」を超える場合には、総量規制により他の貸金業者からの借入もできなくなります。そのため、おまとめローンで融資を受ける際に、「借り換えに必要な金額よりも多く借りる」方が少なくありません。

それは、「借換え」ではなく、「借金を増やしただけ」です。

おまとめローンからの借入が「年収の1/3以下」の場合には、完済先の限度額に余裕ができます。そのため、完済後に再度の借入をしてしまうという人も少なくないようです。これも上のケースと同じように「おまとめローンを利用したから借金が増えた」というケースです。

金利が「思ったより安くならない」ケースもある

消費者金融から借り入れる際の利率は「年15~20%」です。一般的には年18%というケースが多いでしょう。おまとめローンの金利は「年5~15%」程度で宣伝されていることが一般的です。数字だけの比較をすれば、おまとめローンの金利は「かなり低い」ように見えます。

しかし、実際に金利5%のおまとめローンを借りられることは、稀なケースです。金利が低いほど条件や審査が厳しいのが相場です。

「担保有り<銀行<銀行系消費者金融<非銀行系消費者金融」の順で、利息は高くなり、審査は甘くなると言われています。たとえば、銀行系列でないアイフルの「かりかえMAX」の貸付金利は12~17.5%です。

審査が甘めなおまとめローンは金利も高め

実際の利率は、申込みをして審査を受けなければわかりません。一般的には借入時の信用状態が悪い(収入に対する借金の比率が高い・借入社数が多い・延滞がある等)ほど、利息は高くなります。

したがって、おまとめローンでは「希望の利率では借りられない」ことも少なくありません。それでも「とにかく1本化したい」ということで、「利息はほとんど変わらない」のにおまとめローンを借りてしまうケースも少なくないようです。

たとえば、先ほど紹介したアイフルのおまとめMAXの商品紹介ページでは、実質年率15%の返済例が紹介されています。しかし、この計算例は30日単位(360日)で計算しているので、365日に換算すればほぼ17%です。アイフルのおまとめMAXは「多重債務者向けの借換え融資」を前提としているので、「審査が甘めな分だけ利息も高い」のです。

「審査の厳しい」銀行系のおまとめローンを「安い金利」で借りるのは、実際には簡単ではありません。

「返済期間」がさらに長期化する

おまとめローンを利用した場合は、ほとんどのケースで「返済期間」がさらに長くなります。

おまとめローンによって「毎月の返済額が減る」のは、「返済期間が長くなる」からです。

おまとめローンの場合、商品や融資額にもよりますが、5~10年で返済するのが一般的でしょう。融資額が多いほど利息は低くなりますが、その分返済期間が長くなります。

「返済期間を延ばして毎回の返済額を減らす」方法は、任意整理や個人再生でも用いられる方法です。しかし、「おまとめローン」は、「借金は減らない」「利息も免除されない」という点で、債務整理とは大きく違います。「返済期間が長い」ということは、「利息を長く支払う」ということです。

「支払総額」が増える可能性が高い
「借金は減らない」、「利息もあまり低くならない」、「返済期間が延びる」という条件が重なれば、「最終的な支払総額が増える」という結論になります。

借入元金を減らさずに返済額を減らせば元金が減るペースは遅くなります。元金の減りが遅ければ支払期間が長くなります。そして、支払期間が長くなれば、利息を長く(多額に)支払うことになるのです。

次の例で具体的に説明してみましょう

  • A社から50万円(年18%)、毎月の返済額13,000
  • A社から借金した半年後に、B社から40万円(年18%)、毎月の返済額11,000円
  • B社から借金した半年後に、C社から30万円(年18%)、毎月の返済額11,000円
  • C社から借金した半年後に、D社のおまとめローンで借換え

A~C社までの借金の総額は、120万円ですが、A社には18回、B社には12回、C社には6回返済しています。一般的な元利金方式で計算すれば、「毎月の返済額は、3社合計で35,000円」です。そして、おまとめローンを利用する時点での、「借入残元金は約98万円」となります。

これを約定通りに最低返済額だけ支払い続けた場合には、「残っている返済期間は、一番長いのがB社で3年6ヶ月」、「利息を含めた3社の総支払額は120万円」です。

D社から「年10%の利息・返済期間8年で100万円借りた」としましょう。この場合、「毎月の返済額は、15,000円」まで圧縮されますが、「8年間の支払総額は1,456,704円」となります。

ここまでを整理すれば次のようになります。

  • おまとめローンを利用せずに返済すれば、毎月35,000円、3年6ヶ月、120万円
  • おまとめローンを利用すると、毎月15,000円、8年間、145万円

このケースでは、おまとめローンを利用することで、最終的な利息の支払額は25万円増えています。おまとめローンの利率が年14%であれば、8年で約170万円支払うので、50万円増えることになります。

ちなみに、おまとめローンの利息が10%の場合では、「返済期間が4年を超える」と「おまとめローンの方が支払総額は多く」なります。

要するに、「利息が低くなるメリット」は、「利息を長く払うデメリット」で消えるということです。

審査は決して甘くない

おまとめローンは、「多重債務の借り換え」を目的にしています。「多重債務にある人は、貸倒れリスクが高い顧客」です。したがって、審査は必ずしも甘くありません。

特に銀行のおまとめローンでは、「保証会社の審査に通る」こと融資の条件となっています。銀行のおまとめローンの回収が難しくなったときには、「保証会社が銀行に代位弁済」します。実際に、顧客から延滞しているローンを回収するのは、「銀行ではなく保証会社」です。

なお、銀行のおまとめローンの保証会社のほとんどは、傘下のカード会社もしくは消費者金融です。たとえば、「三菱東京UFJ銀行の保証会社はアコム」、「楽天銀行の保証会社は楽天カード」です。したがって、アコムや楽天カードを過去に延滞している人は、三菱東京UFJ銀行や楽天銀行のおまとめローンの審査には通りづらいでしょう。

なお、ローンやカードの審査については、こちらの記事(A17)で説明しています。

多重申込みは絶対にダメ

借金の状況が悪い人ほど、審査には通りません。しかし、借金が多い人ほど1本化を強く希望しています。そこで、おまとめローンを何件も申し込むというケースがありますが、これはおすすめできません。

「申込み(審査)に落ちた」という情報は、信用情報として登録されます。これを「申込みブラック」と呼んでいます。したがって、1件通らなければ、次も通らない可能性が高いのです。

短期間に「審査落ち」が何件も続くと、おまとめローンが組めないだけでなく、通常の借入やカードの利用まで難しくなる可能性があります。

保証人・担保を要求されることもある

おまとめローンの中には、融資条件として「保証人」「担保不動産」を要求してくるものもあります。また、契約時に強制執行可能な公正証書を作成されたりするケースもあります。現在では、おまとめローンの申込みはネットから行うのが主流です。ネットでは「無担保融資」を強くアピールしていますが、「実際に貸し付ける場合は別」ということも珍しくありません。

そもそも、「保証人」、「担保」、「公正証書」を要求されるようなケースでは、債権者は「貸倒れリスクがかなり高い」と判断しています。したがって、「おまとめローン」ではなく「債務整理」を選択すべきだったというケースなのです。

借金の返済をしやすくするためのおまとめローンで、他人に迷惑をかけたり、自宅を失うというのは、最も不幸な結末です。

詐欺やヤミ金に注意おまとめローンを装った詐欺やヤミ金も増えています。たとえば、ダイレクトメールなどで「多重債務の一本化!」というような勧誘がきた場合には、詐欺かヤミ金と思って良いでしょう。よくある手口は、「融資のための審査を通し安くするために、返済実績が必要だからお金を送金して欲しい」、「登録料や手数料を先に支払って欲しい」ものです。この記事の立場としては、おまとめローン自体おすすめしていませんが、万が一利用するときには、必ず「正規の金融機関」を利用してください。

おまとめローンでの過剰貸付は、社会問題になりつつあります

ここまで、おまとめローンの落とし穴についてお話してきました。実は、銀行(系)のおまとめローンは、社会問題として認識されつつあります。

消費者金融などの貸金業者には、総量規制をはじめとする貸金業法の厳しい規制があります。しかし、銀行は総量規制の対象外となっています。そのため、2015年には、個人向け貸付額は消費者金融よりも銀行の方が多くなりました。

また、自己破産者のうちで銀行を債権者とする人の割合も増えています。

そこで、日本弁護士連合会(日弁連)は、「おまとめローンによる過剰貸付の防止を求める声明」を出しています。日弁連のホームページでは、銀行の個人向け貸付についてのアンケート調査の結果も公表しています。これによると、「年収の倍以上」の過剰融資もあるようです。お時間のある方は一度ご覧になってください。

また、金融庁は、2016年に銀行の個人向け貸し付けの実態を調査することを発表しています。要するに、審査や融資に問題があったかどうかを調査するというのです。

たしかに、「おまとめローン」を「上手に」利用して、借金の問題を解決できた方はたくさんいます。他方で、「おまとめローン」を利用したばかりに、「自己破産」するはめになった方もたくさんいるのです。

おまとめローンを受けられる人であれば、「任意整理」で借金の問題を解決することが可能です。任意整理は、「デメリットがほとんどない」借金の解決方法です。

この記事で用いた例で任意整理すれば、毎月17,000~27,000円の返済で3~5年でに返済できます。

いまでは、多くの弁護士・司法書士が「無料」で借金の相談に応じています。おまとめローンの申込みをする前に一度弁護士・司法書士に相談してみてください。



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